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「4月までになんとかなるという感触はこれっぽっちもなかった」R氏は語る。
E氏とA氏によれば、そこまで悲惨な状況ではなかったらしい。
R氏はどんなことでも不可能な問題としてとらえ、またそう公言するのが常だった。
そうすれば、彼がそれを解決したときには、同僚たちから適切な賛辞を得ることができる。
1995年2月のある日、必死にコードを書き続けるR氏の集中をさまたげるできごとがあB氏は、戦略会議室で何人もの法律顧問や重役に囲まれて、またもやM社に対して訴訟を起こしたアップルにどうやって応戦するか計画を練っていた。
そのアップルは、2月9日に、マイクロソフトとI社がクイックタイム(パソコン上で小さなムービーを再生するアップルの有名なプログラム)からコードを盗み、それをビデオ・フォー・ウィンドウズとDCIに流用していると告発していた。
DCIは、M社とI社が共同開発した、デジタルビデオの再生能力を向上させるテクノロジーで、数週間まえにR氏がその欠陥を修正するために招集されていた。
ひとつ指摘しておくと、当時の全世界のパソコン市場の占有率は、アップルがわずか8.6パーセントだったのに対し、M社のOSを搭載したI社互換機は80パーセントに達していた。
アップルの中心的な武器のひとつはマルチメディアだった。
そこで、M社がDCIを搭載した製品をいっさい出荷できないように、販売差し止めを申し立てたのだ。
これは、ウィンドウズの発進を妨害しようとする、かなりあからさまな戦略だった。
「われわれは、みずからの研究開発の成果が略奪されたり、市場で勝ち取った優位が不当にむしばまれたりするのを傍観するわけにはいかなかった」アップルの子会社であるアップルソフトの副社長兼統括マネージャー、N氏は、怒りをこめて語った。
サンタクララを本拠とする市場調査およびコンサルタント会社のクリエイティブ・ストラテジーズでは、V社長が、大勢のテクノロジー専門家と同じ意見を口にした。
「この訴訟はウィンドウズの息の根を止めかねない」アップルがM社を盗人として告発したのは、これが2度目だった。
C氏が部屋に飛びこんできて、予告なしでB氏のところへ行かなければならない。
判事に送られた手紙には、B氏が「あからさまな」脅迫をしたと記されていた。
グラフィカル・ユーザー・インタフェースの見た目と操作感を盗用したと訴えたのだ。
いずれの訴訟でも、アップルは勝利をおさめることはできなかった。
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